Creo Elements/Direct 20.5 の新機能

執筆者: 財前 紀行
6/1/2022

読み込み時間: 5min

業界をリードするダイレクトモデリングソフトウェア Creo Elements/Direct の新バージョン 20.5 が 2022 年 4 月にリリースされました。このリリースでは、Modeling のモジュールが強化された他、ユーザーの日々の操作の生産性向上、Creo 相互運用性の向上、プラットフォームサポートのアップデートが含まれています。
以下にリリースのハイライトを紹介します。


簡略化モジュールの機能強化

簡略化は大規模アセンブリの対策や、解析のためのモデルの簡略化、重要な知的財産を隠すといった目的で使用されます。従来から簡略化の設定で、「小さな穴を削除する」、「隠れた部品を削除する」といった規則ベースの機能が付いていますが、ユーザーの立場では、ついでにここも削除したいといった追加の要望が多くありました。本リリースでは、そのような要望を全て網羅した簡略化結果を得られるよう多くのオプションが追加されています。また、それらの結果を専用のコンテナに残すオプションが追加されましたので簡略化の設計意図を他のメンバーへ伝えることができます。

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Annotation の複数言語図面

日本のお客様は図面の中に日本語と英語の併記を追記する等、グローバルチームとのやり取りに対策をされている事も多いと思います。今回新たに複数言語図面機能を追加し、社内標準のエントリーを使用して複数言語図面をより簡単に作成できるようになりました。一覧表から選択すると第一言語と第二言語のテキストブロックを同時に配置することができます。寸法線の修飾テキストにも使用することができます。そして、この機能で配置したテキストはシステムで記録されています。後で言語設定を変更 (日本語/英語から日本語/中国語)に変更したり、社内標準のエントリーを変更したりした時に更新されるようになっています。

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Modeling 構成アクティブ化インジケータ

Modeling の構成機能はモデルの表示/非表示、ビューの向き、モデルの位置を記憶させて切り替える機能です。特にモデルの配置の切替 (例、ドアの開閉状態)には必須の機能の為、多くのお客様が使用している事と思います。構成機能の課題として、構成をアクティブにしたまま本来の部品配置を修正すると、タイトルバーに「構成アクティブ中」と表示しているものの構成の中での移動と判断される事がありました。今回、構成をアクティブにするとビューポートの背景色を変更することが可能になりました。この機能によって、意図しない移動を防止可能です。

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Creo 相互運用性の向上

Creo Parametric との相互運用では、新たに稜線インプリントされた面がサポートされました。これは Creo Parametric で「サーフェスの分割/統一」という機能が追加されたことにより、データの入出力の両方で分割された面をサポートできます。例えば Creo Parametric のシミュレーション機能を使用する時に、Creo Elements/Direct 側であらかじめ境界条件を適用する領域を作成し、その情報を転送することが可能となります。

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プラットフォームサポートの更新

本リリースでは全てのコンポーネントで Windows 11 がサポートされています。また Model Manager Server で新たに Microsoft SQL Server 2019 がサポートされています。詳細は eSupport の Platform Support を参照してください。


最後に

Creo Elements/Direct 20.5 は既にリリースされておりますので、是非 最新バージョンをダウンロードしてお試しいただきたいと思います。


お問い合わせ

この記事を読まれて、詳しい説明のご希望やご質問がございましたら、下記へお問い合わせください。
https://www.ptc.com/ja/contact-us


ご参考

  • 【ブログ】Creo Elements/Direct ノンヒストリーのヒストリー(歴史)こちら
  • 【YouTube】Creo Elements/Direct Drafting(旧称:ME10)は こちら
  • 【YouTube】PTC の 3D CAD「Creo Elements/Direct Modeling」のご紹介は こちら
  • 【YouTube】Creo ブラザーズ Presents 「クリオの部屋」は こちら
  • DX を加速させる 3D CADソリューション: 日本語特設ページは こちら
Tags: CAD Elements / Direct 電子・& ハイテク 産業機器 製品概要 トレーニング

執筆者について

財前 紀行

製品技術事業部 CAD 技術本部
本部長 執行役員

2000 年の入社以来 CAD/PDM 製品のプリセールス・コンサルティングとして国内の幅広い顧客をサポート。担当した製品は 2D CAD に始まり、3D ダイレクト、3D パラメトリック、SaaS 型等 多岐にわたる。2018 年より CAD 技術本部長に就任し、CAD 製品のエンジニアを統括する。