Creo Elements/Direct 20.6 の新機能

執筆者: 財前 紀行
6/21/2023

読み込み時間: 5 min

2023 年 4 月に Creo Elements/Direct 20.6 がリリースされました。本バージョンもプラットフォームサポートや不具合の修正に加えて、お客様のリクエストに応じた機能強化が含まれています。本ブログでは、新機能の概要をご紹介します。


サポートについて

Creo Elements/Direct には、ロングタームサポートのバージョンとショートタームサポートのバージョンがあります。今回の 20.6 はロングタームサポートのバージョンであり、ショートタームの物より長くサポートされますので、お勧めのバージョンです。

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簡略化の機能強化

簡略化は、大規模アセンブリの対応や、知的財産の保護に役立ちます。ここ数回のリリースで継続して強化されており、20.6 では以下の 3 つの点が強化されています。
  • 簡略化結果が異なる幾何分解能のパーツの場合でも 1 つのパーツにマージする。
  • 簡略化コンテナを Model Manager からロードする時、通常のコンテナと異なるルールでロード可能に。
  • 簡略化コンテナのオーナーとしてパーツを選択可能に。
ダイレクトモデリングは元々形状の簡略化を得意としており、今回の機能改善で、より理想的な結果が得られ、Model Manager を含めた運用も、よりスムーズに行うことができます。


Sheet Metal の材料編集コマンドの強化

材料編集コマンドは板厚の変更時などに使用します。その場合、曲げ半径を新しい材料の最小曲げ半径に統一したり、十分に大きな曲げ半径の物は変更を適用せずに維持したりなど、複数のオプションが選択できるようになりました。これにより、板厚変更の生産性が大幅に向上されます。

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Annotation の機能強化

Annotation も従来のリリースと同様、お客様のリクエストに基づき、操作性と標準規格準拠が強化されています。以下が主な強化点です。
  • 多言語図面の機能強化:複数行テキストの登録が可能となり、右クリックからキーボードのショートカットを使用して容易なアクセスが可能となりました。
  • 標準規格サポートの強化:ISO 10135-2007 成形パーツと ISO 13715-2017 稜線をサポートするようシンボルが追加されています。
  • 検査寸法のサポート:検査寸法を定義しバルーンフレームが自動的に追加されます。そして自由に接頭辞・接尾辞を追加でき、DXF/DWG インポートもサポートされます。

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Creo 相互運用性の強化

Creo Elements/Direct のモデルを Creo Parametric で使用する際の、インスタンス情報とコンテンツ上の取り扱いが改善されております。また Creo View Adapter では、配置アセンブリのサポートが強化され、Windchill の QuickView のパブリッシュが可能です。


License Server の機能強化

License Server のステータスページとサマリーページに HTTPS 経由で接続することが可能になりました。クライアント (CAD) からの接続には影響ありません。HTTPS の構成方法は、License Server のヘルプ に詳細を記述しています。


プラットフォームサポートの更新

本リリースでは Windows Server 2022 がサポートされています(License Server と Model Manager Server)。詳細は eSupport の Platform Support を参照してください。(https://support.ptc.com/partners/hardware/current/support.htm)


最後に

Creo Elements/Direct 20.6 は既にリリースされておりますので、ぜひ最新バージョンをダウンロードしてお試しいただきたいと思います。


お問い合わせ

この記事を読まれて、詳しい説明のご希望やご質問がございましたら、下記へお問い合わせください。
https://www.ptc.com/ja/contact-us


ご参考

Tags: CAD Elements / Direct 電子・& ハイテク 産業機器 製品概要 トレーニング

執筆者について

財前 紀行

製品技術事業部 CAD 技術本部
本部長 執行役員

2000 年の入社以来 CAD/PDM 製品のプリセールス・コンサルティングとして国内の幅広い顧客をサポート。担当した製品は 2D CAD に始まり、3D ダイレクト、3D パラメトリック、SaaS 型等 多岐にわたる。2018 年より CAD 技術本部長に就任し、CAD 製品のエンジニアを統括する。