JLG Industries 社、サービス パーツ価格設定を新たな視点から捉え、競争のプレッシャーに打ち勝ちながら顧客第一を貫くために価格設定戦略を刷新。

JLG Industries 社は価格設定戦略の新しいアプローチを導入しました。PTC の Servigistics サービス パーツ価格設定ソリューションにより、スプレッドシートのネットワークから総合的なサービス パーツ価格設定へと移行し、価格競争のプレッシャーに対処しながら顧客にクラス最高のサービスを提供し続けています。

交換用パーツ ビジネスで膨れ上がる競争のプレッシャーに直面していた JLG 社には、利益を増やし、収入を増やし、データの整合性を改善して市場での競争力を強化するというミッション クリティカルな目標を達成するために、より戦略的な交換用部品のサービス パーツ価格設定を実現するソリューションが必要でした。

価格設定、在庫、流通コストはすべて重要でしたが、顧客満足度の観点では価格設定が最重要であるとみなされていました。JLG 社のパーツ価格設定担当マネージャ、ダリ・リベイロ (Dali Ribeiro) 氏は、この課題に対処し、顧客に JLG 社のパーツを買い続けてもらいたいと望んでいました。どうすれば 1 つの部署で、140,000 個のサービス パーツの価格設定を最適化できるでしょうか?

新たな高みへ到達する JLG Industries 社

JLG Industries, Inc. は、1969 年からイノベーションを介して顧客の信頼を獲得してきました。同社のブランド JLG® エアリアル ワーク プラットフォームと JLG および SkyTrak® テレハンドラーは世界中で認められています。JLG が最も優先するのは顧客であり、顧客の課題を把握しようと確固とした信念をもって取り組み続けています。

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コスト プラス - ビジネス マイナス

JLG 社は従来、その多様なサービス パーツにコスト プラスの価格設定を採用してきました。これは、パーツの単価に特定の額を利益として加える価格設定戦略です。JLG 社では、既存の価格設定戦略が効率的ではないことを認識していました。価格設定に対するこのアプローチは “盲点” を生み出したうえに、市場への適応力も欠けていました。JLG 社は Servigistics により戦略を策定できただけでなく、競争の激しい環境をいかに評価すべきかに関する手がかりを手に入れることもできました。「弊社はすぐに、競争相手はほかの OEM だけではなく、自社のサプライヤや自社の他パーツでもあることに気づきました」と話すのは、交換用部品の価格設定担当マネージャであるリベイロ氏です。

顧客はコスト効率を高めるという課題に直面する中、次第に新しいソリューションを求めるようになりました。非 OEM の交換用パーツを競合企業から購入するようになった顧客もいました。この場合、価格は安くても品質が犠牲になっているおそれがありました。この傾向は、JLG 社にとって、パーツの価格設定に新しいアプローチを採用する必要があるという明確なサインでした。

リベイロ氏は JLG 社の IT 部門と連携して、PTC の Servigistics サービス パーツ価格設定ソリューションを JLG のリーダーシップ チームに提案しました。「弊社の経営陣は、価格設定のための戦略的な新ビジョンを支えるツールは必要だが、ビジネス ケースを構築する必要があると固く信じていました」とリベイロ氏は付け加えます。PTC のカスタマー サービス グループと協力関係を築いたリベイロ氏と PTC の担当者は、Servigistics がもたらす価値を分析し、PTC のソリューションを使用して価格設定を総合的な観点から捉えることによってほかにどのようなメリットを得られるかを明確にしました。こうした価値の分析に加えて、サービス パーツの収入と利益に対する Servigistics の影響を細かくモニタリングし追跡するという取り組みが功を奏し、JLG 社の戦略的イニシアチブとして Servigistics が導入されることとなりました。そしてここから気を引き締め、さまざまな問題をクリアしていかなければなりませんでした。

問題点の掘り起こし

JLG 社のその時点での価格設定方法は、一般的な価格設定の公式を自社のサービス パーツに当てはめるというものでした。このアプローチは理想的とは言えません。なぜなら、外部的な要因をまったく考慮できないためです。「パーツの各カテゴリに固有の価格設定戦略とさまざまな規則やワークフローが必要なのです」と話すのは、PTC のビジネス開発担当 VP、スティーブン・コールドウェル (Steven Caldwell) です。価格設定方針および戦略を刷新した結果、以下のようなポイントを確認する必要が生じました。

  • JLG の競合相手はどこか?
  • JLG には競争に関する最新のデータがあるか?
  • 競合企業は価格面でのリーダー企業か、それとも追随企業か?
  • JLG の OEM パーツに関して認識されている価値は何か?
  • 現在のパーツ販売量はどの程度か?
  • JLG にとって望ましい競争上の位置づけとは何か?
  • JLG のサービス パーツの現在の収益性はどの程度か?

JLG 社はこれらのポイントを明確にし、競争に関するデータを活用して競争戦略の策定に焦点を当てることにしました。

「コストと競争戦略を理解することで、JLG 社は顧客との戦略的なサービス契約を定義できました。また、商談の獲得率が高まるよう、競合企業それぞれに個別の方法で対処するようになりました」

さらに、自社の価格設定戦略を十分に理解しているため、ソーシング パートナーとの交渉も楽になります。JLG 社によれば、Servigistics で管理しているパーツは、収益成長の点でも粗利益への貢献度という点でも、ほかのパーツに比べて非常に大きな成果を上げています。JLG 社ではパーツの 29°% のみを Servigistics サービス パーツ価格設定ソリューションで管理していたため、こうしたパーツの業績を、従来のアプローチで管理しているパーツの業績と比較できました。その結果は、Servigistics が約束した価値をもたらすソリューションであることを証明するものとなりました。特筆すべきは、12 カ月足らずでこのツールの採算が取れたことであり、それはリベイロ氏と JLG 社にとって大きな勝利である、とリベイロ氏は語ります。

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成功の 1 年

「弊社の売上は増大し、収益も増大し、パーツの販売数も増大しました。明らかに、お客様に対して最高の価値を提供しているということです」

1 年後、PTC のチームによって提供された Servigistics に関する元の影響評価に対するフォローアップ分析が実施され、3 年間で JLG 社にもたらされる累積価値は当初の予測より 60 % 高いものになるという結果が出ました。

Servigistics の導入には別の利点もありました。たとえば、価格設定戦略を大量のスプレッドシートで管理しなくなるため、企業に関する深い知識がなくても対処できるようになったことです。「アナリストを増員し、価格設定戦略グループを拡大できました。Servigistics は導入しやすくトレーニングもしやすいシステムであったため、簡単に人員を増やすことができたのです」とリベイロ氏は言います。

また別の利点はそのスケーラビリティでした。既存の管理対象パーツは 140,000 にも上りましたが、Servigistics によって実現される価格設定戦略の質と強度のおかげで、パーツの数はもはや問題ではありませんでした。それに加えて、Servigistics により例外ベースの管理が可能になり、パーツの約 20 % に関して地域固有の情報を反映する一方で、80 % の価格設定を自動化できました。

最後の利点は、PTC がサーバーで Servigistics をホスティングするため、オンサイトのソリューションを管理するという JLG 社の IT 部門の負担を軽減できたことです。「クライアントのソリューションにクラウド サービスが含まれている場合、そのソリューションに不可欠な最大限のアプリケーション パフォーマンスと稼働時間を保証できます」と話すのは、PTC クラウド サービスのグローバル サービス部門 DVP、サンジェイ・バルマ (Sanjay Verma) です。

顧客第一

「この業界ではかつて、OEM のサービス パーツは常に価格が高く、OEM は収益を増やすために値上げし続けていると一般に信じられていました」とリベイロ氏。「しかし、Servigistics を導入して価格設定を最適化したことで、お客様に弊社の価格戦略を伝え、多くの場合、より低価格で OEM ならではの品質とサービス サポートが手に入ることを示すことができるようになりました」適切な価格設定を行うようになった JLG 社は、販売量と顧客ロイヤルティの向上により収益を高めることができました。JLG 社では、価格設定は市場とともに常に進化するものであると考えていますが、かつての業界の常識は真実ではなく、OEM の価格設定の方が必ずしも高いとは限らないと確信を持っています。

昇り続ける

価格設定を最適化し、パーツの競争力を維持している JLG 社の交換部品チームは、ビジネス戦略と足並みをそろえて価格設定戦略を進化させ続けることができるようになり、その結果 JLG 社のサービス変革を継続させています。強力なサービス パーツ価格設定ソリューションを導入したことで、JLG 社のデータの整合性も改善され、サプライヤによるコストの変化を把握できるようになりました。

Servigistics は、サービス パーツ価格設定戦略を超え、収益最適化の主要な要素でした。そしてそれがうまく機能しました。収益成長は旧式の方法で管理されたほかのパーツを凌駕し続ける一方、粗利益への貢献度の伸びも他の追随を許しませんでした。

「弊社は、スプレッドシートの時代から大きく進化しました。しかし、この領域ではさらに進化を続け、さらなる利点を手にするとともにお客様との距離を縮め、お客様を第一に考えるための新たな機会を追い求めることができます。PTC は、さらに何が必要で、何を実現できるかに関する優れたビジョンを提供してくれます」とリベイロ氏は言います。