NedTrain 社は、オランダ有数の鉄道車両整備会社です。鉄道の事業者や保有会社に対し、機関車や貨車の整備、改修、性能強化などのサービスを 24 時間体制で提供しています。

課題

NedTrain 社は、1990 年代にオランダの国営鉄道事業者 NS から分社されて誕生した会社です。同社は、NS から鉄道車両 2,800 台の整備を請け負っていましたが、整備中の車両数を常時 170 台以内に抑えるという契約条項を順守できないことがたびたびあり、結果として NS に余剰車両の増加を強いることとなっていました。また、NS 以外の顧客を獲得するため、ライフサイクル コストを最小限に抑えつつ、車両の稼働率と状態を最高に保たねばなりませんでした。これらの課題を解決するためには、次の目標を達成する必要があります。

  • 計画と予測の精度を高め、在庫を削減する
  • 9 カ所の主要拠点、35 カ所のサービス拠点、65 カ所の倉庫で構成されるネットワーク全体にわたり、部品の即納率を高める ( 修理可能部品は 70 %、消耗部品は 83 %)
  • ほかの車両からの部品取りを削減する ( それによって悪影響が生じる場合)
  • 計画に基づく使用と計画外の使用を区別する
  • 業務プロセスを同期する

結果

NedTrain 社は、PTC のサービス パーツ管理ソリューションをネットワーク全体に導入することで、次のような成果を上げることに成功しました。
  • 在庫の削減と業務プロセスの同期を実現しながら、顧客へのサービス レベルを改 善する
  • 部品の即納率を拠点レベルで 94 %、ネットワーク レベルで 98.5 % に改善する
  • サービス品質保証契約を順守する
  • 6 カ所の整備センターに保管されていた大量の部品を、ティルブルフに設立した新しい集中流通センター ( 地域ロジスティクス センター) に移動し、中央在庫と地域在庫を最適化して管理する
  • 計画に基づく使用と計画外の使用を分けて予測する
  • 車両配置を考慮して部品を在庫する
  • 例外的な状況を見つけ出し、その原因を調査して是正処置を講じる

NedTrain 社における部品管理

NedTrain 社は、サービス管理ソリューションがもたらす価値を把握した上で、PTC のサービス パーツ管理ソリューションの導入を決定しました。同ソリューションの機能は NedTrain 社のニーズを完全に満たしています。同社は、このソリューションを既存の ERP システムとシームレスに統合し、複雑なネットワーク全体での部品管理を計画するための強固なプラットフォームを構築しました。

範囲

  • 在庫する部品は 2 万 6,500 点 (4,000 万ユーロ相当)
  • コード化されている部品は 40 万点
  • ERP に登録されている部品は 5 万 6,000 点
  • 修理可能部品は 9,000 点
  • 1 年あたりに使用される部品は 1 万 5,000 点 ( 安定的に使用される部品は 8,000 点)
  • 在庫回転: 1.0
  • 在庫の分布: 中央 45 % / 地域 55 %
  • 1 年あたりの在庫移動件数は 21 万件
  • 1 年あたりの在庫使用件数は 23 万 5,000 件
  • サービス パーツ サプライヤは 500 社以上

結果

NedTrain 社は、在庫の削減と部品即納率の向上という重要目標を達成し、顧客満足度を高めることに成功しました。これにより、NS との契約を確実に順守できるようになっただけでなく、NS 以外の顧客にも対応可能な体制を整えることができたのです。

「当社がお客様との約束を守れなければ、お客様も顧客との約束を守れなくなります」と NedTrain 社のプランニング マネージャを務めるバート・ポステマ (Bert Postema) 氏は話します。「私たちがPTC のソリューションを選んだのは、お客様への責任を果たすためです。同ソリューションは、顧客満足度の向上をはじめ、満足のいく成果をもたらしてくれています」


NedTrain Case Studyの全文を読む(.PDF)