送電網のリーダーが拡張現実 (AR) で販売を促進

製品のカスタマイズが販売サイクルに課題をもたらす可能性

送電網会社にとって、複雑な受注生産製品の販売はコストと時間のかかるプロセスでした。顧客には、環境内で機能する要素と機能しない要素について、非常に具体的な要求があるからです。さらに、見込み客や顧客は、送電網ソリューションの異なる部分に関する情報を複数のサプライヤーから得ていることがよくありました。顧客にとって、それらすべてをどのように組み合わせるのか、また特定の部品やシステムを全体のどの部分に配置するのかを判断することは困難である場合がありました。

同社の設計者と営業担当者は、顧客と協力して要求する仕様との互換性を確認し、まだ構築前の複雑なシステムに関する重要な情報を伝える必要がありました。販売サイクルの早い段階では、参照すべき既製のカタログやマニュアルがなかったため、顧客が注文する製品をイメージすることは困難でした。

顧客は、最終製品をイメージするために、設計イメージや 2D 図面、Excel に頼る必要がありました。これにはかなりの時間がかかり、ミスによるコストや販売サイクルの遅延が発生するリスクがありました。送電網企業が販売プロセスを改善し、このような受注生産ソリューションのコストを最適化する必要があるのは明白でした。

PTC 製品を利用することで、販売プロセスの変革とカスタマーエクスペリエンスの向上を実現

効率的な AR オーサリング環境として Vuforia Studio を使用することで、同社は既存の 3D CAD モデルを活用して、構成ソフトウェアで指定したバリエーションに基づいて没入感のあるコンテンツを開発できました。さらに、Vuforia Studio で開発した AR コンテンツにより、顧客は提案されたソリューションの実物大のデジタル表現を、自社の環境内で、大規模な送電網システム内に正確に配置して確認することができました。これにより、最終的なシステムを構築して出荷する前に、修正が必要な不正確な点や問題点を簡単に特定できました。

明らかになる改善の効果

顧客からのフィードバックは非常にポジティブでした。AR により、顧客は販売プロセス中に提案されたソリューションを理解するために抽象的な図面や数字に頼る必要がなくなり、より適切にカスタマイズされた迅速なソリューションを提供できるようになりました。販売とサービスのプロセスは業界でもこれまでに類を見ないものであるとの報告が多数あり、同社は顧客からの購入の信頼性がまったく新しいレベルに達しているのを目の当たりにしました。

同社は、サービスサイクルに更なる試行を加えて、AR による変革をさらに進めています。Vuforia Studio を使用して、顧客や外部ベンダーがカスタマイズされたコンデンサシステムを現場で組み立てたり、定期的なメンテナンスやサービスを行ったりするための指示書を作成しています。

送電網のリーダーは、Vuforia を活用し、販売エクスペリエンスの促進、購入の信頼性の向上、全体的なカスタマーエクスペリエンスの改善を実現することで、顧客のニーズに応えてきました。PTC の技術を活用することで、同社は、今後のカスタマーサービスに期待を寄せています。