ジェネレーティブデザインソフトウェアとは?

ジェネレーティブデザインは、AI を使用して一連のシステム設計要件から最適な設計を自律的に作成する 3D CAD 機能です。エンジニアは、優先材料や製造工程などの要件と目標をインタラクティブに指定することができ、ジェネレーティブデザインは、自動的に製造可能な設計を開始点または最終的なソリューションとして作成します。その結果、エンジニアはインタラクティブな操作によって短時間で優れた設計を実現し、製品イノベーションを促進できます。

ジェネレーティブデザインのメリット

数多くのお客様が感じているジェネレーティブデザインのメリットは、形状の新しいアイデアを得ることができる点です。エンジンを設計製造している Cummins 社では、ジェネレーティブデザインを使い、新しいアイデアを基に、15% ~ 20% の軽量化に成功しています。また、Cummins 社では、アイデアを参考に形状を作成することで、従来の方法で部品を製造しています。別のお客様は、ジェネレーティブデザインの最適形状から板金部品の作成も行っています。経験知による形状作成では、どうしても過剰設計になりがちです。それらを是正するためにも全く新たなアイデアを基に、より最適な部品を作成できます。また、Creo の場合、荷重条件だけではなく固有値を条件に最適化も可能となっており、振動やノイズが重要な部品の場合でも使用できます。
設計開発にかかる時間の短縮も大きなメリットの一つです。比較的機能が少ない、ある方向からの荷重に耐えられるという条件の部品であれば、素早くその形状を出すことができます。特に量産ではない治具などは 3D プリンターとも相性がよく、短時間で設計し、すぐに実物を作成できるというメリットもあります。Volvo 社では、トラックのエンジンにつけるファンをマウントする部品にジェネレーティブデザインを使用しました。元々、マウントする部位は三つの部品に分かれていましたが、これを一つにまとめることができ、設計時間を短縮できただけではなく、部品コストや組み立てコストを削減することもできました。
ジェネレーティブデザインでは、複数の条件を組み合わせて複数の設計案を生成することができるため、形状の最適化だけではなく、それに伴った材料や製造方法まで新しいアイデアを提供します。今まで思いつかなかった材料や製造方法の組み合わせの最適な形状を確認することにより、設計者はその製品の意図に一番適した形状を選択できます。

ジェネレーティブデザインと「トポロジー最適化」の違いとは?

ジェネレーティブデザインはトポロジー最適化の技術を利用していますが、それをさらに発展させています。
PTC の考えるトポロジー最適化とジェネレーティブデザインの違いは、二つあります。一つは、AI を搭載していること。Creo のジェネレーティブデザインでは、2 種類の AI を形状の最適化に使っています。AI を活用することにより、素早く最適な形状にたどり着くことが可能になっています。
もう一つは、複数の設計案を出すことができる点です。設定条件から一つの最適化形状が出ることで得られるアイデアには限界があります。複数の材料や製造方法、平面対称などのジオメトリ条件などを組み合わせ、その組み合わせの内容も含めた最適化を確認することにより、より多くのアイデアを得ることが可能になります。Creo では、クラウドを使用して多くの設計案を短時間で作成し、提供します。クラウド上で結果をグラフ化し、特定の重量以下にするフィルタを設定するなどして、設計にあった形状を検討することもできます。

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Creo のジェネレーティブデザイン

製品設計をレベルアップしたいなら、クラウドを利用して製品設計を最適化する Creo のジェネレーティブデザインが最適です。多くの革新的な設計オプションを同時に検討でき、オプションは自動的にハイライト表示されます。Creo の設計環境を離れることなく、高品質かつ低コストの最終設計を作成できます。Creo のジェネレーティブデザインを利用すれば、最高の設計を短期間で実現できます。

ジェネレーティブデザインのお客様事例

ジェネレーティブデザインは単なる理論ではありません。ジェネレーティブデザインを使用して実際に問題を解決しているお客様の事例をご紹介します。

Cummins 社の事例: 新製品の設計の最適化

Cummins 社、ジェネレーティブデザインを使用してサステナビリティを促進

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Jacobs 社の事例: 航空宇宙業界におけるジェネレーティブデザイン

Jacobs 社、製品の軽量化にジェネレーティブデザインを活用

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Creo Generative Design Extension

新しい Generative Topology Optimization Extension (GTO) とクラウドベースの Generative Design Extension (GDX) を使用すると、材料や製造工程などの拘束と要件に基づいて製品設計を最適化できます。GTO によって、Creo 環境内で革新的な設計オプションをすぐに検討できるため、開発期間の短縮とコスト削減が可能になります。また、クラウドベースの GDX では、さまざまな材料や生産のシナリオに応じた複数の設計を同時に作成でき、上位のオプションをハイライトして確認できます。高品質で低コストの製造可能な設計を自動的に作成する、Creo のジェネレーティブデザインの詳細をご確認ください。

従来の製造へのジェネレーティブデザインの適用

ジェネレーティブデザインは付加製造のためだけの技術でしょうか?いいえ、そうではありません。ジェネレーティブデザインは、機械加工される部品や鋳造または鍛造によって製造される部品にも適用できます。既存の製造工程を使用して、旧式の部品を最適化できます。
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PTC がジェネレーティブデザインソリューションのトップ企業に選出

世界的なテクノロジーインテリジェンス企業である ABI Research 社の最新の Competitive Ranking レポートで、PTC がジェネレーティブデザインの技術革新と導入のリーダー企業と評価されました。PTC は、クラウドの高い計算能力を活用した AR Design Share や GDX など各種の新しいクラウドソリューションをリリースし、イノベーションを推し進めています。CAD アプリケーションの Creo に付属する GTO や GDX などのジェネレーティブツールにより、一連の設計目標と拘束から最適な設計を自律的に作成できます。この技術革新と簡単な導入を実現した PTC は、お客様に市場開拓戦略と数百もの自習形式のチュートリアルを提供し、さまざまなコースや資格取得の機会を用意しています。