課題
  • 運用面を十分に可視化できない
  • 工場が古く、さまざまな機器を使用しているため、データの抽出が困難
  • 従来のリーン生産方式を採用しているため、生産性向上が制限されていた


企業の紹介

インドの大手ベアリングメーカーである National Engineering Industries (NEI) 社は、年間 2 億 5,000 万個以上のベアリングを NBC ブランドとして製造し、自動車、工業、鉄道、航空宇宙に携わる世界中の顧客に提供しています。イノベーションを優先する NEI 社は、熾烈な競争に直面するなか、高額な設備投資を削減して急増する需要に対応するため、デジタルトランスフォーメーション (DX) に着手しました。

PTC とのシームレスな統合

NEI 社は、複数のベンダーのさまざまな機械からデータを収集、分析し、その結果をリアルタイムのダッシュボードで確認できるプラットフォームを必要としていました。目的は、機械の状況を即時にモニタリングして、意思決定できるようにすることです。

長年にわたり PTC 製品を利用している NEI 社は、すでに Windchill と Creo に精通していました。また、統合インターフェースを構築するという自社のビジョンを実現するにあたり、ThingWorx が適切な産業 IoT プラットフォームであることもわかっていました。設計と製造にまたがるデジタルスレッドの将来性を考えると、NEI 社にとって「PTC は当然の選択」でした。

ThingWorx が生み出すこの相乗効果によって製造プロセスが効率化され、NEI 社は進化する業界で競争力を維持できます。

データ主導の製造を実現

NEI 社が求めていたのは、多数の異なる機械からのデータを集約してライブダッシュボードを構築できる、OEM に依存しないプラットフォームでした。このメーカーの工場は古く、従来型の機器で運用していたため、これを実現するには 2 段階のアプローチが必要でした。

  • 同社の取り組みは、PTC の産業用機器接続ソリューションである Kepware を導入することから始まりました。Kepware の導入により、既存の設備からシームレスかつ安全な方法でデータにアクセスし、そのデータを ThingWorx などの IT システムや OT システムに送信できるようになりました。Kepware では産業データの単一のソースを迅速に作成できます。これを上流工程で利用することで、可視性が向上し、運用上の重要な情報が得られるようになりました。
  • 社内のさまざまな機器を接続した NEI 社は、ThingWorx を「MES ライト」プラットフォームとして使用し、データをリアルタイムで可視化して分析できるようにしました。その際、独自の ThingWorx ソリューションを導入して社内の製造プロセスを水平統合し、ボトルネックやロス時間が強調されるライブダッシュボードを構築しました。すべての工場拠点のレポートをリアルタイムで入手し、日々のパフォーマンス改善に役立つ実用的な情報が得られるようになりました。

「PTC のソリューションは、急速に変化するグローバル市場での競争力維持に役立っています」

– NEI (NBC Bearings) 社、最高デジタル責任者 (CDO)、Ashish Ranjan 氏


 

ライブデータの活用

NEI 社は、2022 年初頭に初めて ThingWorx を導入しました。当初は 1 カ所の工場にフルスケールで導入し、2023 年に別の工場にも拡張しました。現在では、Kepware を使用して 500 台以上の機械からデータを収集し、ThingWorx を使用して、そのデータをこれら 2 つの工場で共有しています。さらに今年は、5 カ所すべての自社工場に Kepware と ThingWorx を導入し、対象範囲を 1,000 台以上の機械にまで拡大する予定です。

NEI 社は、ThingWorx が提供する製造データに真の価値を見出しました。リアルタイムのダッシュボードを使用して情報を収集することで、製造チームは損失を注視し、それらを最小限に抑えて、OEE を向上させることができます。工場の可視化機能を製造コントロールセンターに移した結果、責任者たちは、パフォーマンスの高い拠点と低い拠点のギャップを解消するための情報が得られるようになりました。

リアルタイムのデータを利用すれば、製造プロセスのボトルネックや非効率的な部分を特定し、生産時間の損失を詳細に把握できます。ThingWorx を活用することで、NEI 社では OEE と品質が大幅に改善されました。これは競争力の維持にも役立っています。このプロアクティブなアプローチにより、NEI 社の OEE が 78% から 81% に向上しました。また、製造環境の変化に対応する体制が整ったことから、チームの意欲とモチベーションも高まっています。

NEI 社が ThingWorx の導入に成功した大きな要因は、その適用範囲の広さにあります。作業員から工場責任者まで、全員が日常業務の一環として ThingWorx を使用しています。作業現場での毎日のミーティングはライブダッシュボードを使用して行われます。可視化とコミュニケーションの向上により、予想外の故障が発生した場合の応答時間が短縮されました。ThingWorx は製造プロセスのあらゆるレベルにメリットをもたらしています。ThingWorx により、どの従業員も、絶えず変化する製造環境に自信を持って迅速に対応できるようになりました。